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一石が引き金となったElsevierボイコット問題(The Economist記事紹介)

The Economist誌が2月4日付記事"Scientific publishing:The price of information"で、「一石が雪崩を引き起こす」として先日本欄で紹介したElsevierボイコット問題を報じている。

それによると、事の発端はTimothy Gowers 氏(ケンブリッジ大学の数学者。1998年フィールズ賞受賞)の1月21日付ブログ。同氏はブログで長期にわたってエルゼビア誌をボイコットしている理由を述べた。それに触発された数学者仲間のTyler Neylon氏がボイコットを呼びかけるサイト"The Cost of Knowledge"を作成したところ、これに応ずる研究者が続出したというもの。

記事はさらに次のように述べる。
・Gowers 氏が不満とする理由は3つある。雑誌の高価さ、バンドル販売、Research Works Act法案支持。
・Elsevierの弁明 - 誤解がある。当社が利益を上げたのは効率経営の結果だ。雑誌の値上げは、過去数年間、同業他社より低い。
・情報のフリーな流通を望む学界では、2006年頃から不満が鬱積していた。
・arXivやPLoSなどの新しい論文発表形態が出現したが、前者は査読が無い、後者は著者が論文出版料を負担するなどの弱みがあり、従来型の出版社が幅を利かせている。
・研究者は論文発表本数と論文掲載誌の評価を気にしている。
・商業出版社は、出版料著者負担のオープンアクセスを試行して読者への負担を軽減しようとしているが、ボイコットが拡大し続けると事態は重大となる。出版社は、研究者が出版社を必要とする以上に、研究者が必要。
・Incumbents(現職者。編注:ここでは出版社)は、突如失速する失脚する(つまずく)までは立場は強い。その後、学界の春となる。

[ニュースソース]
上述

※失速するを失脚する(つまずく)に訂正しました(2012/04/11)。