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大学財務分析

大学は、「教育・研究・社会貢献という使命・役割を踏まえて、それに応じて具体的にどのような機能に重点を置き、個性・特色の明確を図っていくか、各大学の自律的な選択に基づく機能別の分化が必要となっている」と考えられている。

本サイトは、上記のうち教育と研究に焦点を当て、大学等の財務データと論文及び特許等のデータを組み合わせることにより、大学のインプットとアウトプットの関係の特色を可視化することを目的としている。

使用したデータベース

  • 「大学四季報」 東洋経済新報社
  • Thomson Reuters "Essential Science Indicators"(2001-2011)
  • 特許行政年次報告書2008年版~2011年版

国立大学編

国立大学法人が法人化したのは、2004年のことである。 その後国立大学法人等の評価に関する調査は様々な形で行われてきた。 例えば、内閣府は毎年「国立大学法人等の科学技術関係活動に関する調査結果」をまとめ、国立大学法人評価委員会は、国立大学法人分科会における評価チームを設け、業務実績報告書の調査・分析・評価結果の原案を作成している。

国立大学に関しては、国立大学法人評価委員会において、以下のような類型化を行っている。 類型化に関しては、過去さまざまな研究 がある。 歴史的経緯・学部構成・専門療育に着目したもの、それに財務諸表を加味したもの等ある。 そこには、「国立大学」という「ひとくくり注1」で、一律議論するのではなく、「類似した国立大学法人間で比較考量することにより、財政状態や運営状況の客観的把握を可能にする注2」という背景がある。

注1:天野郁夫 「大学分類の方法」『大学評価の研究』(慶伊富長編)東京大学出版会, 1984, pp57-69
吉田 文 「国立大学の諸類型」『国立大学の構造分化と地域交流』国立学校財務センター,2002,pp183-193
注2:島一則「法人化後の国立大学の類型化―基本財務指標に基づく吉田類型の再考―」『大学財務経営研究』国立大学財務・経営センタ―第3号,2006,pp61-85
国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会業務及び財務等審議専門部会(第4回)資料3-2より

今回は、東洋経済新報社「大学四季報」データベースに収録されている国立大学を分析の対象としている。 表1の区分1は、文部科学省・高等教育局・高等教育企画課が発表している「国立大学法人の財務分析上の分類」であり、区分2は国立大学法人評価委員会・国立大学法人分科会・業務及び財務等審議専門部会で発表されている「国立大学法人類型化いついて(案)」に基づいている。 表1の大学欄において茶色の大学名が、今回分析に使用したデータベース東洋経済新報社「大学四季報」に収録されている大学である。

出典:
国立大学法人及び大学共同利用機関法人の各年度終了時の評価における財務情報の活用について 平成18年2月20日 国立大学法人評価委員会
国立大学法人の類型化について(案)平成17年6月22日 国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会 業務及び財務等審議専門部会(第4回)
区分1(国立大学法人の財務分析上の分類) 区分2(国立大学法人の類型化について) 区分1に対する詳細 大学
Aグループ 大規模大学 学生収容定員1万人以上、学部等数概ね10学部以上の国立大学法人(学群、学類制などの場合は、学生収容定員のみ) 北海道大学、東北大学、筑波大学、千葉大学、東京大学、新潟大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、神戸大学、岡山大学、広島大学、九州大学
Bグループ 理工系中心大学 医科系学部を有さず、学生収容定員に占める理工系学生数が文科系学生数の概ね2倍を上回る国立大学法人 室蘭工業大学 、帯広畜産大学、北見工業大学、 東京農工大学東京工業大学、東京海洋大学、 電気通信大学、長岡技術科学大学、 名古屋工業大学、豊橋技術科学大学、 京都工芸繊維大学九州工業大学、鹿屋体育大学
Cグループ 文科系中心大学 医科系学部を有さず、学生収容定員に占める文科系学生数が理工系学生数の概ね2倍を上回る国立大学法人 小樽商科大学、 福島大学、 筑波技術大学、東京外国語大学、東京芸術大学、 一橋大学滋賀大学、大阪外国語大学
Dグループ 医科大学 医科系学部のみで構成される国立大学法人 旭川医科大学、東京医科歯科大学、浜松医科大学、滋賀医科大学
Eグループ 教育大学 教育系学部のみで構成される国立大学法人 北海道教育大学、宮城教育大学、 東京学芸大学、上越教育大学、 愛知教育大学、京都教育大学、 大阪教育大学、兵庫教育大学、奈良教育大学、鳴門教育大学、福岡教育大学
Fグループ 大学院大学 大学院のみで構成される国立大学法人 北陸先端科学技術大学院大学、奈良先端科学技術大学院大学、総合研究大学院大学、政策研究大学院大学
Gグループ 中規模病院有大学 医科系学部その他の学部で構成されA~Fのいずれにも属さない国立大学法人 弘前大学、秋田大学、山形大学、群馬大学、富山大学、金沢大学、福井大学、山梨大学、信州大学、岐阜大学、三重大学、鳥取大学、島根大学、山口大学、徳島大学、香川大学、愛媛大学、高知大学、佐賀大学、長崎大学、熊本大学、大分大学、宮崎大学、鹿児島大学、琉球大学
Hグループ 中規模病院無大学 医科系学部を有さず、A~Fのいずれにも属さない国立大学法人 岩手大学、茨城大学、宇都宮大学、埼玉大学、お茶の水女子大学、横浜国立大学、静岡大学、奈良女子大学、和歌山大学

東洋経済新報社「大学四季報」より、以下の項目を使用した。

  • 大学名
  • 学生数(留学生、研究性、聴講生は除く)
  • 教員数(専任講師以上)
  • 所在地
  • 資金獲得力(受託研究等収益+寄付金収益)÷経常収益
  • 教育投資 教育研究費用充当度(教育経費+研究経費+診療経費+教育研究支援経費)÷経常費用
  • 運営費交付金収益
  • 受託研究・受託事業等収益
  • 寄付金収益
  • 教育経費
  • 研究経費
  • 診療経費
  • 受託研究費
  • 教員1人あたり学生数
注意:競争的研究資金全体の6割以上の資金が個人補助制度となっている。 このため、従来、これら補助金は外部資金とは分けて扱われている。 よって、財務分析上、これらの補助金は、分析の対象外となっている。
J-GLOBAL foresight