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科学におけるデータ不正と選択的報告に対する市民の意識(論文紹介)
2016年07月21日 | 北米・中南米

ニューヨーク州立大学オールバニ校のJustin Tyler Pickett氏とSean Patrick Roche氏による論文"Public Attitudes toward Data Fraud and Selective Reporting in Science"(試訳:科学におけるデータ不正と選択的報告に対する市民の意識)を紹介する。

 

抄録

データ不正と選択的報告は、共に科学の信頼性にとって重大な脅威となる。しかし、データ不正に対する最適な制裁方法と選択的報告の倫理性については、科学者の中でも意見の違いがある。科学の再現性において、市民はほぼ間違いなく最大の利害関係者である。研究には主に公的資金が使われており、不完全な科学は公共の福祉を脅かす。市民は、道徳的直感を用いて個々の行為の道徳性について、急速だが意味のある判断をすることができる。法律学者は、合法性を維持するためには市民の道徳的直感を考慮した社会的規制方策の開発が重要であると主張する。科学におけるデータ不正と選択的報告の道徳性に関する市民の判断を調査するため、2つの研究(全国的な便宜的標本(N=821)の調査実験と、米国成人の代表標本(N=964)のフォローアップ調査)を実施した。調査結果からは、市民の多くがデータ不正と選択的報告のどちらも道徳的に誤りであると判断し、これら行為に対する一定の厳しい制裁措置を支持していることが示された。中でも注目すべきは、米国人の大半がデータ不正は犯罪であるとし、その多くは禁固刑に値すると確信していることである。