科学技術情報流通技術基準

学術論文の構成とその要素

Presentation of Scientific Papers




1. 適用範囲

この基準は,学術論文の構成要素とその記載要領について著者及び学術雑誌の編集者に指針を与えるものである。



2. 用語の意味

この基準で使用する主な用語の意味は,次のとおりである。

(1)学術雑誌(scientific periodical)

 主として原著論文を掲載する定期又は不定期の逐次刊行物。

(2)学術論文(scientific paper)

 原著論文,速報,短報など,独創的な研究で,科学上意義のある結論又は事実を含むもの。

(3)脚注(footnote)

 ページの最下部に印刷されている注又はコメントで,記号等によってそのページの本文の関連部分に結び付けられている。

(4)キャプション(caption)

 図,写真,表等の見出し及び説明で,そこに表現されている主題を説明する。

(5)抄録(abstract)

 解釈又は批評を加えずに,文献の内容を短く表現したもの。

(6)参照文献(bibliographic reference)

 文献リスト。記入(entry)を一定の順序で記載し,各文献を記述し,明確に同定(identify)する。

(7)図(illustration)

 本文に添付若しくは挿入されたイラスト,写真又はその他のグラフィック表現。文献のページ付けに含まれる。

(8)表(table)

 典型的な例として行と列の中に示された秩序だったデータを含む文献。説明文が付く場合もある。

(9)表記法(notation)

 ISO等の国際機関によって規定されているような標準的な記号としての一連の記号。一定の適用規則を持ち,類やそれらの相関関係を表現するのに使われる。

(10)標題(title)

 通常文献の先頭にある単語又は句によって示される論文名。それによって文献は同定される。

(11)付録(annex)

 文献の最後に付けられ,本文を補足するもの。これには注,統計表,コンピュータ・プリントアウト,その他の情報が含まれる。

(12)連載記事(installment)

 連続物の一回分。定期刊行物の数号にわたって発表される文献の一部。




3. 学術論文の要件

3.1 原著論文

 本基準の対象とする学術論文とは,著者による独創的な研究から得られたもので,科学技術の進歩,発展に寄与する成果・内容を含むことが,投稿された学術雑誌の編集者(査読者を含む)に認められた論文をいう。

3.2 既に発表された内容を含む論文

 同一著者が,以前に,テクニカルレポート,学位論文,会議における発表論文又は会議録等の中で,その内容の一部を使用している場合には,その論文の第1ぺ一ジの最下部に示す脚注等の中でその旨を明記する。
その内容は,

 1)その研究を後援する組織の名称と所在地,若しくは発表が行われた会議名
 2)原文が初めに発表された場所(都市・国)
 3)ISO 8601の規定に準ずる8桁表示の正式発表日付

3.3 出典の明示

 本文中で著者に帰属しない研究成果,数量データ等を利用した場合には,それらの出典及び帰属先を明示しなくてはならない。



4. 論文の構成要素

論文を構成する要素は,次のとおりである。

   標題
   著者名
   著者の所属機関名等
   抄録
   キーワード
   (内容目次)
   本文(図・表を含む)
   脚注
   謝辞
   参照文献
   (付録)
   柱(ランニングタイトル又はランニングヘッド)



5. 構成要素の記載要領

5.1 標題

(1)標題は,研究内容を具体的かつ的確に表すように,しかもできるだけ簡潔に記載する。その際,標題中に研究内容を的確に示すキーワードを含むように配慮する。

(2)標題に用いる用語は,本文に用いた言語とする。標題の中には原則として略語,略称は用いない。

(3)日本語論文の場合には,国際的に広く通用する言語による標題を付記する。

(4)外国語論文の場合には,日本語による標題を付記することが望ましい。

(5)標題は,常に論文の第1ページに記載する。

(6)副標題を付ける必要がある場合には,これを付けることができる。副標題は,原則として1個とする。また,大きな研究計画の一部や連続する研究の一部を連載記事として発表する場合には,標題の後にシリーズ番号を付け,副標題を付ける。

(7)連載記事は,前報の所在を脚注に記載することが望ましい。


5.2 著者名

(1)著者名は,その記述を常に統一し,姓・名を略さずに標題の下に記載する。

(2)著者が2名以上の場合には,当該研究・執筆に対して寄与するところの多い人を,必要最小限に記載する。

(3)著者の人数については,投稿規定の中で,その上限を規定することが望ましい。

(4)欧文論文の場合の著者名は,ローマ字で略さずに記載する。その際,姓の文字のすべてと名の頭文字を大文字で記載する。

(5)和文論文の場合には,著者名を各著者慣用のロ一マ字で略さずに付記する。その際,前項に従って記載する。

(6)日本人が書いた欧文論文等の場合には,著者名を日本語で付記することが望ましい。

(7)著者が団体の場合には,まず,その正式名称を省略せずに記載し,その後に所在地を示す。名称の省略形を括弧に入れて付け加えてもよい。著者が共同作業を通してその成果を発表する場合には,それにかかわった全員の氏名を明記する。

5.3 著者の所属機関等

(1)著者の所属機関は,当該研究の行われた機関名を記載する。

(2)研究を行った後に著者の所属機関が変わった場合には,脚注に現在の所属機関名を記載する。

(3)所属機関名は,当該機関の正式名称とする。

(4)日本語論文の場合には,外国語による正式な所属機関名を付記する。

(5)所属機関内の部課名等については,各機関の慣習を尊重するが,連絡が可能なように正確に記載する。

(6)著者が複数で所属機関が異なる場合は,記号等を使って著者名と所属機関名とを対応づける。

(7)著者の地位,身分,称号は,原則として省く。

(8)所属機関の所在地は,郵便番号,番地等を省略せずに記載する。

5.4 抄録

(1)抄録は,本文を読まなくても内容の要点が理解できるように,著者が記載する。

(2)抄録は,国際的に広く通用する言語で記載する。また,日本語の抄録を付記することが望ましい。

(3)抄録はSIST 01に従って作成する。

5.5 キーワード

(1)キーワードは,最初に著者が付与する。

(2)標題及び抄録から抽出し,なお不十分な場合は本文から補充する。その数は5〜10個ぐらいとすることが望ましい。

(3)国際的に広く通用する言語又は日本語で表示する。それぞれの雑誌で規定することが望ましい。

5.6 本文

5.6.1 記載内容

 学術論文は論理的かつ明確な構想に基づいて記述されていなければならない。その研究を行った理由,これまでの同様の研究との関連性も明示すべきである。使用した方法,テクニックは,専門研究者が読んで追試し得るように記述されていなければならない。結果とそれに対する分析は別々に扱うのが望ましい。「用語と定義」という節を序論のすぐ後に設けてもよい。

5.6.2 用字用語,記号等

(1)用字用語は,JIS Z 8301中の「7.2 用字,用語及び記述符号」及び文部省制定の学術用語に準じる。

(2)表記法は,ISO等の国際機関及び関連国内規格によって規定された記号を用いる。

5.6.3 見出しの番号付け

(1)見出しにおける章・節・項等の展開は,ポイントシステムによって記載し,項で止める。

例:
第1章・・・・・・・・・・・・・・・・-->1.
第1章 第2節・・・・・・・・・・-->1.2
第1章 第2節 第3項・・・・-->1.2.3

(2)項以下の細項については,両括弧を用いて細分する。

(3)箇条書きの番号付けは,細項の表示と混同しないようにするため,数字を○で囲むか,ローマ字等を用いて表示する,

(4)本文中で引用する場合には,次のとおりとする。

例:
既に1.1節で述べたように,・・・・・・
     詳細については,1.2.3項に述べる。

5.6.4 図・写真・表の番号付け

(1)図・表は,本文に出てくる順に,それぞれ一連番号を付ける。その際,グラフィック表現及び写真は図に含める。

(2)図・表には,番号に続けて,キャプションを付ける。その際,図の番号及びキャプンョンは図の下に,表の番号及びキャプションは表の上に付ける。

5.7 脚注

(1)脚注は本基準で定める場合を除き,できる限り避けることが望ましい。

(2)脚注を付ける場合には当該語句に記号等を付け,同一ぺージ内に記載する。

5.8 謝辞

 研究の過程で,何らかの援助を受けた楊合には,「謝辞」の節を設け,簡潔な謝意を示すことができる。その場合,その援助者及び機関の名称並びに援助の内容等を記載する。

5.9 参照文献

(1)本文の中で文献を参照する場合には,該当箇所の右肩に一連番号を付けるか又は参照文献の著者名等を括弧に入れて記載する。

(2)参照文献は,本文の最後にまとめて記載する。その配列は一連番号を付けた場合には番号順とし,著者名等を付けた場合には著者名のアルファベット順とすることが望ましい。

(3)参照文献は,SIST 02に従って記載する。

5.10 柱(ランニングタイトル又はランニングヘッド)

柱はSIST 07の規定に従って作成する。


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