特許庁は、2007年12月に設置した「イノベーションと知財政策に関する研究会」における議論とパブリックコメントの結果を反映させた、政策提言と報告書「イノベーション促進に向けた新知財政策 −グローバル・インフラストラクチャーとしての知財システムの構築に向けて−」を8月8日公表した。
次に示すI.からIII.の3つの観点から13の政策提言がまとめられている。
I. 持続可能な世界特許システムの実現
提言1.ひとつの発明が、効率的にグローバルな知財となる「仮想的な世界特許庁」の構築の構想を世界的に提言する
また、「仮想的な世界特許庁」の構築向けて効率的な保護をよりグローバルに実現するための取組を拡大する
提言2.出願人の多様なニーズに応じた審査体制を整備する(メリハリの効いた特許審査迅速化)
提言3.米国と欧州の制度面の歩み寄りに向けて日本が働きかけることで国際的な制度調和を推進する
提言4.途上国における知的創造サイクルの確立に向けて、知財とビジネスの成功事例の共有を提唱する
II. 特許システムの不確実性の低減
提言5.審査基準を恒常的に見直し、特許制度の安定性を高めるための透明で予見性の高い特許審査メカニズムを構築する
提言6.パテントトロール問題への対応のためのガイドラインを検討する
III. イノベーション促進のためのインフラ整備
提言7.イノベーション促進のためのインフラ環境(エコシステム)を「再構築」する
提言8.総合プロデュース型知財ビジネスの設立を支援する
提言9.標準化された技術に関する知財の利用を円滑化し、標準化戦略を推進する
提言10.シームレスな(継ぎ目のない)検索環境を実現する
提言11.コミュニティパテントレビューの試行を開始する
提言12.研究開発政策と知財政策との連携を図る
提言13.知財プロデューサー派遣事業を創設する
・イノベーションと知財政策に関する研究会 政策提言
・イノベーションと知財政策に関する研究会 報告書
[ニュースソース]
「イノベーションと知財政策に関する研究会」政策提言・報告書
イノベーション促進に向けた新知財政策
−グローバル・インフラストラクチャーとしての知財システムの構築に向けて− 特許庁, 2008/8/8
[関連サイト]
特許庁、「イノベーションと知財政策に関する研究会」資料を公開 - 2008/5/20