多くの助成機関が領域横断的な研究を重視している中,適任の査読候補者選びは骨が折れるものだが,Web of Science(WOS)や Scopusを使えば簡単だとした体験談が紹介された。
筆者は、国立科学財団(NSF)図書館のStephanie Bianchi氏。館長になって日の浅いころ、Program Officer(PO)から振動分光法(vibrational spectroscopy)に関する論文査読候補者選びの支援要請を受けた。2日間かけても2人しか探せなかったPOは、私が2時間で数百名の候補を選び出したところ仰天した。さて、そのやり方は・・・。
WOSでは、まず、「USA、直近5年間」を条件として論文タイトル中の"vibrational spectroscopy"を検索、次いで、被引用件数"Times Cited"の多い順に並べ替える。関連論文"Related Articles"も見る。検索絞込み機能"Refine Results"により、主題領域"Subject Areas"で「分光法」「測定器、計装」「光学」の専門家を選ぶ。また、"Document Type"で"Review Article"を選び、論文レビュー経験者を絞り込む。次に、分析機能"Analyze Results"の「機関名」により"vibrational spectroscopy"のmajor playersを拾い出し、査読対象論文と利害が対立する恐れのある者を排除する。次いで、一人の著者に照準を合わせ(zero in)・・・(以下省略)。
WOSやScopusの本来の使途からは外れるが、このようなやり方で適任のピア・レビュアー候補を簡単に選び出すことができるという。
[ニュースソース]
Peerless Pathways to Find Peer Reviewers - Information Today Jul/Aug 2009
[参考サイト]
NSF program officers - Research Life in Seattle 2009/3/24