本年5月下旬に発表されるやわが国でも高い関心を集めた"Google Wave"(GW)だが、この新オンラインツールが研究のやり方に及ぼす効果について、年内一般公開前に試用の機会を得た研究者の一人Cameron Neylon氏(生化学者、英国サウサンプトン大学)が次のように指摘した。
(概要)
●GWはチャットや同一論文編集がリアルタイムででき、音声映像ファイルなどを論文へ簡単に挿入できるので、論文共同執筆や申請書共同作成などが迅速化される。
●自動プログラムにより関連論文へのリンクが可能で、例えば蛋白質名をマークアップすると蛋白質DBへ自動リンクが張られたり、他からデータを取り込んで、データ変更の都度更新されるグラフが作成できる。
●Google Waveで作成した文書は、アノテーションを保ったまま発表論文のフォーマットに変換できる。
●実験装置から出力されたデータは、論文へ直接挿入できる。可視化も可能。研究者は、現時点では難しい実験プロセスの共有ができる。
Cameron氏は、感想として、「Google Waveは複雑で尻込みさせられそうだが、ポテンシャルは高い。2年先取りしたウェブのようだ。GWは科学者だけを想定しているのではない。科学者自身がGWのポテンシャルを引き出すべきだ」と語った。
[ニュースソース]
The science of Google Wave – nature news 2009/8/24