学術出版の現状(調査報告)

2010年04月06日

ヨーロッパ

アイルランドのResearch and Markets社は2010年3月、学術出版の現状調査報告書"Scholarly Book Publishing Practice Report 2010"を発行した。

調査は学会・専門協会出版社協会(ALPSP)など主要協会の会員(商業・非営利)出版社400社を対象に実施したもので、全112ページの報告書は有料(330ユーロ)。主な結果は次のとおり。

●調査対象の出版社が発行する新タイトルは毎年24,000件。学術タイトルの累計は35万件。
●オフセット印刷の他、学術図書館やprint-on-demand向けの短期出版にはデジタル印刷も利用。
●63.2%は電子書籍を出版するも、売上げ全体に占める割合は平均9.4%。電子書籍出版は2004年以降急増。3分の2の出版社は既刊書も電子化。
●ビジネスモデルを大別すると、即金購入、年間予約購読、章単位の購入、短期賃貸。
●電子書籍販売後もアクセスを提供する出版社は45%で、30%がオンラインによる。サービス継続の年間保守料を課しているのは15%。
●大半の出版社は、教育や今後の著作物での著者の再利用権を認識。ただし、OAリポジトリ収載の場合は別。
●著者の教育や今後の著作物での再利用権をほとんどの出版社が認識。ただし、OAリポジトリ収載の場合は別。
●電子書籍絡みの新活動をほとんどの出版社が積極的に計画。

[ニュースソース]
Scholarly Book Publishing Practice Report 2010 - RESEARCH AND MARKETS