米ミシガン大学図書館が発行するJournal of Electronic Publishing(第13巻第1号、2010年)に、無料の電子書籍が印刷体書籍の売上げに及ぼす短期の影響を調査した結果"The Short-Term Influence of Free Digital Versions of Books on Print Sales"が発表された。ユタ州ブリガム・ヤング大学教授心理学部の学生John Hilton III氏と准教授David Wileyによる共著。
(Abstract試訳)
著者や出版社は、著作物(work)の認知度をあげるため、次第に書籍を電子的に無料配布するようになった。「電子版が無料になると書籍販売はどうなるか」-これは商業関係者の死活問題である。BookScan販売データを用いて書籍41冊を4分類して無料の電子版が出た期日を明らかにし、印刷体の売上げへの影響を測定した。無料版提供前後8週間の売上げを分析した。4分類中3分類の書籍が、無料版配布後、売上げを伸ばした。この結果の意味するところとその限界を考察した。
[ニュースソース]
Journal of Electronic Publishing