オンライン上で表示され、閲覧される医薬品情報はアメリカとカナダで異なる(論文紹介)

2011年02月25日

北米・中南米

アメリカに居住する人がGoogleでブランド医薬品とジェネリック医薬品を検索すると国立医学図書館(National Library of Medicine、NLM)にたどり着くのに対して、カナダで同じ検索をするとジェネリック医薬品についてはWikipediaに、ブランド医薬品については製薬会社のサイトにたどり着くという研究結果をカナダのブリティッシュ・コロンビア大学の研究者が報告した。"The Annals of Pharmacotherapy"誌で2月22日に早期公開された。

検索結果におけるこの違いの一つの理由は、2010年にGoogleと国立衛生研究所(National Institute of Health、NIH)との間で結ばれた、米国内での検索に対してNIHがスポンサーとなっている医薬品情報ページを目立つようにするというパートナーシップによるものと考えられ、研究でも、"Google.com"を利用する場合には、NIHがスポンサーとなっているNLMの提供する医薬品情報ページが先頭にくることが多いという結果が示されている。一方、米国の居住者であってもBingやYahooを利用する場合や、"Google.ca"を利用するカナダの居住者の場合には、Wikipediaのページや企業がスポンサーとなっているサイトに導かれることが多いとされている。

・Michael R Law, Barbara Mintzes, and Steven G Morgan. The Sources and Popularity of Online Drug Information:An Analysis of Top Search Engine Results and Web Page Views. The Annals of Pharmacotherapy, Advance Publication, 22 February 2011, DOI 10.1345/aph.1P572. http://www.theannals.com/cgi/content/abstract/aph.1P572v1.

[ニュースソース]
Canadians and Americans get different drug information online:uBC study:筆頭著者のコメントも - University of British Columbia, 2011/2/23