研究図書館と出版社、国際ILL・文献デリバリーを巡って鍔迫り合い(記事紹介)

2011年06月20日

北米・中南米 ヨーロッパ

6月14日付Library Journalに標記の記事" Research Libraries, Publishers Stake Out Positions on International ILL"が掲載された。

鍔迫り合いは、先日、北米研究図書館協会(Association of Research Libraries、ARL)が「国際図書館相互貸借(International Interlibrary Loan、ILL)と国際文献デリバリーサービスはARLの権利である」と発表したことを受け、21ヶ国110超の会員を擁する国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical & Medical Publishers、STM)が6月8日、「デジタル環境下での文献デリバリーに関する図書館の例外措置は、非常に限定された場合にのみ、出版者の許諾を条件として、認められるべき」旨の声明を発表したことで顕著になった。

「STMは図書館に米国著作権法第108条の権利を行使するなと言っている」とARL Public Policy Initiatives理事Brandon Butler氏は述べる(訳注:原文のforebear〔先祖〕は誤りで、forbear〔自粛する〕が正)。デューク大学のKevin Smith氏もブログで「STMはILLについて静かな脅しをかけている」という。

ARLとSTMは平行線のままのようだ。

[ニュースソース]
Research Libraries, Publishers Stake Out Positions on International ILL – Library Journal 2011/6/14
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