国際図書館コンソーシアム連合(International Coalition of Library Consortia、ICOLC)は6月22日、国際STM出版社協会(International Association of Scientific, Technical & Medical Publishers、STM)が過日発表した国際ILL・文献デリバリーに関する声明を受け、「知財法は国によって異なるにも拘わらず、STMの姿勢は、著作権法に準拠して学術振興する図書館の慣習を根本的に変える」として反論した。
ICOLCの主張は次のとおり。
1.現行の原則・法規に基づく図書館相互貸借は、ベルヌ条約の三段階テストに合致している。
2.国境を越えるデリバリーは、現行著作権法に適切に準拠している。
3.デジタルドキュメントのエンドユーザーへの直接送付は、エンドユーザー側の図書館や学習者コミュニティが最適に調整している。
4.図書館は、当日の利用者に記事(論文)をどのような形(デジタル、印刷)でも施設内で提供できる。
5.現行の著作権法は、図書館利用者に「受領するドキュメントは私的・非商用使用のため」であることを確認するよう、義務を適切に課している。
ICOLCは、また、国際図書館連盟(IFLA)の"Draft Library Treaty"第7条を強く支持するとしている。
[ニュースソース]
ICOLC Response to the International Association of Scientific Technical and Medical (STM) Statement – ICOLC 2011/6/22
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