RSC、「研究助成機関によるOA誌共同発行」の背景を紹介

2011年07月07日

北米・中南米 ヨーロッパ

英国王立化学会(Royal Society of Chemistry、RSC)が、先日「米独英: 大手3研究機関、生物医学・生命科学分野の一流OA誌を共同発刊へ」で紹介したオープンアクセス(OA)誌の共同発刊に関し、関係者の声を交えてその背景などを紹介している。

(要旨)
・このOA誌は、Cell、Nature、Scienceに直接対決を挑むものだ。
・著者の出版費負担はなく、査読者は匿名でコメントを発表する。
・「スピード感と透明性を旨とする」・・・Wellcome Library。
・資金提供機関が学術誌出版に携わるのは異例だ。
・このOA誌は、前述3誌のようなトップジャーナルのビジネスモデルに対して研究者が抱いている不満を解消しようとする試みだ。3誌ですらsome lemons(欠陥論文)を発表し、未審査で優れた論文をrejectする。編集者は必ずしも専門家ではなく、査読者に頼りきっており、著者に次々と不必要な改訂をさせ、その挙げ句、不当にrejectする。編集者は再試験の要否を理解できなければならない。このOA誌の編集長には現役の科学者が就き、十数名の現役の生物・生命科学者の協力を得る。
・「包括的OAに向けた勢いを増す。歓迎」・・・PLoS。
・「成否は品質次第。インパクトが超高なら成功、さもなくば単なる一誌」・・・MIT生物工学研究者。

[ニュースソース]
Funders unveil 'elite' open access journal - RSC 2011/7/4