2014年9月より、欧州27か国の53の研究助成/実施機関で構成されるScience Europeの次期プレジデントに就任するMiguel Seabra氏へのネイチャー誌インタビュー記事を紹介する。同氏は現ポルトガル科学技術財団(Portuguese Foundation for Science and Technology、FCT)プレジデント。インタビューでは、European Research Area(ERA)プロジェクト欧州におけるオープンアクセス(OA)などについて語られた。
インタビューより抜粋:
● ERAについて:ERAは研究者、知識、アイデア、技術の循環を確保するため、欧州における研究を1つの市場として捉え、その基盤を構築することをミッションとする。各国間の競争、連携、協調、研究者の循環のバランスが課題である。システムの多様性は資産であって、負債ではない。連合の形成、均一化、中央集権型の欧州研究システムの構築などは考えていない。
● OAについて:ゴールド、グリーン両方を許容し、柔軟なアプローチを支援する。運営委員会と出版社との会合を計画しており、外部の理解を深めていきたいと考えている。
● 研究データのオープン化について:データのオープン化は理論上すばらしい考えであるが、実行するのは難しいと思われる。論文のオープン化は簡単なように見えるが、グリーンモデルの場合に保存記録の質を保つための課題があり、それには費用を伴う。
[ニュースソース]
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"Science Europe"、欧州51研究機関合意のOA移行声明を発表 - Nature 2014/6/6