Guardian紙が7月28日報じた英国のオープンアクセス(OA)に関する記事"Open access:Are effective measures to put UK research online under threat?"を紹介する。
英国では、多く人々が論文のオープンアクセス(OA)方針に賛同しているが、ゴールドとグリーンのどちらにすべきか、その効果と費用をめぐり未だ議論が繰り返されている。ゴールドは長期的視点に立てば費用を抑え、透明な市場競争を推進するという点で有効であるが、購読料モデルからの移行期間においては高価な方針であると言える。
英国研究会議(Research Council UK, RCUK)の方針ではゴールドOAを推奨しているが、最終判断は著者に委ねられている。他方、3月に発表されたイングランド高等教育資金会議(HEFCE)の次期Research Excellence Framework(REF)ではグリーンOAを義務化し、査読済、ジャーナル受理原稿の即座の機関リポジトリへの保管を義務付けている(小欄記事)。
記事は、「受理原稿の機関リポジトリへの保管(deposit-on-acceptance)」は研究機関の事務作業費の削減となり、リポジトリへの保管率を大きく上げるとし、ゴールドへの移行期における賢明な戦略であると結んでいる。