F1000Researchは7月30日、読者やレビュアーがオンライン論文に埋め込まれたコードを走らせることを可能とする概念実証図(proof-of-concept)を付加した論文(独 レーゲンスブルグ大学動物学研究所 神経遺伝学教授Björn Brembs著)を公開した。
論文中の「図3」は、実際には存在しない。著者はデータとコードをF1000Researchに送り、論文が閲覧されると図表が「オンザフライ(参考)」で生成される。読み手は適当なパラメーターを選択してコードを走らせ、図を調整することができる。読み手がデータのプロットの仕方を調整できることで読み手自身のためのデータの評価が可能となり、論文のバージョン管理や複製と同時にデータが再現され、出版プロセスにおける完全な透明性を確保できる。また「図4」は、ローカルで設定された動作データを、複数の実験室が1つの「生きた」図表に送ることができる
近年の科学論文撤回率の上昇から明らかなように、他者による再現性は科学の理解を照合するのに不可欠である。従来の出版プロセスではできないこれらF1000の試みは、学術論文の質を評価するまったく新しい枠組みであり、論文の出版プロセスにとって飛躍的一歩である。
[ニュースソース]
F1000Research Brings Static Research Figures to Life - F1000Research 2014/7/30