DOAJ、悪徳OA誌排除に、掲載基準を強化(記事紹介)

2014年08月14日

ヨーロッパ

オンラインのオープンアクセス(OA)誌をカテゴリー別にまとめたサイトDirectory of Open Access Journals (DOAJ)の掲載ジャーナル数は2003年立ち上げ時にはわずか300誌だったが、2013年には約10,000誌と大きく増えた。しかしながらDOAJの抱える問題は、ジャーナル数を増やすことではなく、怪しいジャーナルをいかにリストから外すかである。

DOAJは掲載基準をより厳格化し、すべてのジャーナルに対しこの基準に基づいた再登録を促し、OA誌を装って投稿料を搾取したり、査読や永久保存など著者が期待するサービスを提供しないいわゆる「略奪誌」をリストから外す策を講じている。基準を満たすOA誌リスト、いわゆるホワイト・リストを作成し、助成機関、図書館、研究者にとってより有用なツールとしたいとしている。

DOAJ マネージング・ディレクターBjornshauge氏によると、10-15%が最優良誌に分類され、10%程度は再掲載できないだろうと見ている。これに対し、コロラド大学デンバー校図書館のJeffrey Beall氏は、次のように指摘する。

「このようなDOAJの取り組みにより著者の信頼を取り戻せるかは疑問である。著者や大学にとって質の高いジャーナルとはむしろ、エルゼビア社のScopusのような著名な引用データベースに掲載されているかどうかである。悪徳OA出版者は、まだまだ増えている。」

[ニュースソース]
Open-access website gets tough - Nature 2014/8/6

[関連記事]
Investigating journals:the dark side of publishing - Nature 2013/3/27