英国:研究者とソーシャルネットワーク(記事紹介)

2014年08月15日

ヨーロッパ

ネイチャー誌8月13日記事"Online collaboration: Scientists and the social network"を紹介する。当該記事はネイチャー誌が今年5月に行った、研究者のソーシャルネットワーク利用実態に関する調査結果とResearchGateの創設者Ijad Madisch氏へのインタビューを中心に、研究者を対象としたソーシャルネットワークの動向を考察したもの。調査は研究者へのメール送信により行われ、95か国、3,500人から回答を得た。

記事より抜粋:
研究者向けソーシャルネットワークサービスResearchGateの登録数は450万人以上、日々の訪問者数は10,000人だ。Facebookの利用者数13億人と比べれば微々たるものだが、研究者のみを対象としたネットワークとしては驚くべき数字である。創設者のIjad Madisch氏は、研究者に対し、協調的ディスカッション、論文の評価、公開されることのない否定的結果の共有、生データセットのアップロードの場を提供したいと語る。

研究者を対象としたこのようなサービスは、Researchgateの他、Academia.eduMendeleyがあるが、ResearchGateの認知度は88%と最も高い。サイト訪問の理由の中で最も多いのはプロファイルの更新である。他の利用者が自分のプロファイルをより見つけやすくするためだ。Twitterの利用目的として、40%(ResearchGateは15%)の研究者が「自分が関係する分野の研究にコメントする手段」としている点が異なる。

ResearchGateは新しい機能として、利用者が査読済論文を綿密に評価する"Open Review"機能を導入し、Academia.eduも公開論文の評価機能の導入を予定している。Madisch氏は、今後の動向について次のように語った。

「いずれ優れたサービスが1つ生き残るか、あるいは分野により優位なサイトが違うということになるのではないか。このようなサービスは、あるとうれしいが必要なツールとまではいかない、と批判する人もいるが、この流れは決して無視できない。」

[ニュースソース]
Online collaboration: Scientists and the social network - Nature 2014/8/13