英国公共図書館利用者に学術論文への無料アクセスを提供するプロジェクトAccess to Researchが先行き不安なスタートを切ったと指摘する声を記したTimes Higher Educationの記事を紹介する。
本プロジェクトを進める" Publishers Licensing Society(PLS)"の「サービス開始の2014年2月以降160以上の地方自治体が同プロジェクトに参加、14,500人以上が利用し(小欄記事)良いスタートを切った」とする8月6日の発表に対し、ケンブリッジ大学のPeter Murray-Rust博士は「報告された利用者数は、地方自治体ごとに1日につきわずか0.5人しかないことを示しており、非常に残念な数字で、プロジェクトの性質自体が不適切ではないか」と述べている。
これに対しPLSは、プロジェクトは2014年2月に10の地方自治体からスタートし、その後徐々に参加数が増加しているので彼の計算は正しくないと反論しており、また利用者数に関しても地方自治体は契約の承認やスタッフ訓練などに時間を要しており、大半の地方自治体が利用者に対して本格的にプロモーションを開始する今後は利用者増加が期待できるとしている。
[ニュースソース]
'Dismal' start for Access to Research initiative - Times Higher Education 2014/8/14