米国国立衛生研究所 (National Institutes of Health, NIH)は8月27日、最終版の遺伝子データ共有(Genomic Data Sharing, GDS)方針を発行した。本方針は研究参加者のプライバシーを保護する一方で、健康につながる知見、製品、治療へのデータ活用を加速する手段としてデータ共有促進を目指すものとなっており、NIHの遺伝子型・表現型データベース(database for Genotypes and Phenotypes, dbGaP)を通じた生物医学分野研究者によるヒトデータ提出とアクセスを管理してきたGWAS (Genome-Wide Association Studies)方針の延長線上にあるものとしている。
方針の主なポイントは、研究やより広範な共有に備え、研究参加者からその非特定化されたデータの将来的な利用について研究者がインフォームド・コンセントを得るという期待である。
GDS方針において、NIHはデータ提出をした機関に対し、データの法的・倫理的に適切な方法よる収集と、名前や住所など個人を特定する情報の削除を保証することを求めている。また、治験責任医師とその所属機関に対し、助成申請及び提案の一部としてGDS方針にそった基本計画の提出を求めている。
本方針は2015年1月25日より、NIHが助成し遺伝子データが発生する全ての大規模ヒューマン・非ヒューマンプロジェクトに対して適用される。
[ニュースソース]
NIH issues finalized policy on genomic data sharing - NIH 2014/8/27