科学論文に多数の"text overlap(テキスト重複)"が存在-プレプリントサーバー"arXiv"の分析で明らかに

2015年01月08日

北米・中南米

米・コーネル大学の運用する数学・物理学系のプレプリントサーバー"arXiv" を分析した結果、科学論文において著者が自身や他人の過去の論文内のテキストを、出典を示すことなく利用する"text overlap"が多数発生していることが明らかとなった。コーネル大学教授でオンラインarXivコレクションの創設者Paul Ginsparg教授と同大の大学院生が12月8日、National Academy of Scienceの予稿集オンライン版で報告したもの。

この慣例の根源には、中国や東洋の文化において他人の言葉を変更することは失礼にあたるとの認識や、英語以外を母国語とする人が元ネタを書き換えることは簡単ではないなど文化的な要因が存在しているのかもしれないとしている。その他、許容範囲についての考え方の違いや指導者の指導方法が要因ということも考えられ、不正行為とういうよりはむしろ一般的な標準に対する無知が原因と考えられるとしている。コピーされたテキストは実験装置や実験手順に関する記述、よく知られた原理においても時折見受けられる。

同分析は、1991年から2012年にかけて登載された757,000本の論文を対象に実施された。


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