オランダの大学、OA実現に向け強い決意で交渉に臨む(記事紹介)

2015年01月15日

ヨーロッパ

Times Higher Education 1月8日付け記事"Dutch Universities dig in for long fight over open access"を紹介する。

記事より抜粋。

● 昨年1月、オランダ教育・文化・科学省大臣Sander Dekker氏が国内の研究論文オープンアクセス化について2019年までに60%の達成、2024年までに100%を達成することを命じており、大学の総長らは出版社に依存したかたちの購読契約更新をその目標実現のための一歩とすることで合意している。
● ラドバウド大学総長でオランダの大学における主要な交渉人であるGerard Meijer氏は、購読雑誌へのアクセスを維持しながら大学は出版社に対し教員が発表した論文については追加費用なしのオープンアクセス化を許可することを求めており、これ以上の価格高騰は望まないと述べている。

● 大学側の要求を満たす契約を世界第2位の学術出版社Springerと締結した。Meijer氏は完全なオープンアクセスモデルへの移行を示したと述べている。その他Wiley、Sage、オックスフォード大学出版とも交渉を開始しているが、昨年11月にはオランダ大学協会(VSNU)がエルゼビア社との交渉が決裂したことを明らかにした。

● 昨年12月16日に、オランダ大学協会(VSNU)はエルゼビア社の新たな提案を受け、交渉を再開したことを明らかにし、大学の本年1月1日に失効する予定の大型購読契約が自動的に1年間延長されたと述べた。

● Meijer氏は出版社との交渉にあたり、大学側の要求を曲げることはないと強い決意を示している。また出版社の仕事に対しては喜んで対価を支払うが、エルゼビア社の利益幅は40%近くに達しており、これ以上このような状況を受け入れることはできないとしている。

● Dekker教育・文化・科学省大臣はオープンアクセスの強力な支持者であるが、一方でエルゼビア社は経済省に対して同社はオランダにおける最大の納税者の1つであると主張している。