データ共有の新しい社会的規範が必要(記事紹介)

2015年02月05日

北米・中南米

研究データ連盟(Research Data Alliance, RDA)に関するResearch Europe1月22日付け記事、"We need new social norms for data sharing"を紹介する。この記事は、RDAの活動に関する進捗状況と今後の取組みについて、RDA事務局長Mark Parsons氏へのインタビューをまとめたもの。

記事より抜粋:

  • Science2.0の出現のよりデータ共有はどのように変化したか?

ここ数年、データ共有に対する態度に大きな変化が見られる。データ共有に前向きではない研究コミュニティがあることも事実だが、データは公益であり、公益として取り扱うべきであるという意識が広がっている。

  • RDAの進捗について

会員数は現在2,500人、50の作業部会が活動している。研究データの種類を説明する方法「データ・タイプ・レジストリ」に関する報告がまもなく公開されるほか、「データ共有の定義」についても公開を予定している。

  • 産業界とのかかわりについて

今まであまり活動してこなかったが、2015年度力を入れるべき分野と考えている。3月の総会ではAdoption Dayを設け、RDAの成果を発表し、組織におけるそれら成果の活用を促す。

  • データ共有に伴う倫理的、法的課題にどのように対応するか?

研究データの法的相互運用(Legal Interoperability of Research Data)に関する作業部会が使用許諾に関する課題を議論している。主な課題は、所有権という観点とは対照的に、倫理的な側面からオープン・データをどう捉えるかということである。データ共有に関する新しい社会的規範を作成する必要がある。

  • 長期的助成計画はあるか?

米国とオーストラリア政府から助成を受けており、欧州委員会(EC)は数年間の支援を約束している。日本も最近RDAに参加した。ブラジル、南アフリカも近々参加予定であり、欧州の中にも参加を検討している国もある。

  • RDAの活動期間について

10年という計画対象期間で活動している。現実的には10年経ったら直ちに組織を解散するというわけにはいかないが、集中的に課題に取り組む意向である。