AHRQとNASA、論文と研究データのOA化に関する計画を公表

2015年02月17日

北米・中南米

米医療研究・品質調査機構(Agency for Healthcare Research and Quality, AHRQ)と米航空宇宙局(NASA)はこのたび、論文と研究データのOA化に関する計画書を公開した。両機関の計画書の公表は、2014年8月米政府助成機関として初めて公開した米国エネルギー省(DOE)に続き2番目となる。

AHRQ Public Access to Federally Funded Research

AHRQの計画書は、NIH 同様に、助成研究による論文のPubMed Centralへの保存、査読ジャーナルでの論文公開後12か月以内の無料のアクセスを要求している。データに関しては、研究データを構成する要素をAHRQの定義としてまとめるとともに、AHRQ助成による研究論文に直接関係するデータは論文公開時に無料でアクセスできることを要求している。

完全な計画書は最終案としてまとめ、近日中にWebサイトで公開する。2015年10月15日より施行する。

NASA Plan:increasing access to the Results for Scientific Research

NASAの計画書の特徴として、論文のオープン・アクセスを実施する方法について、NIH PubMed Central (PMC)、DOEのPAGES、CHORUSのメリットを独自に比較分析し、最終的にNIHのPMCシステムを同局のポータルに取り入れるとした点にある。エンバーゴをNIH 同様に12か月としているが、利益が上回るという確たる証拠を提示すれば、12か月よりも長いエンバーゴを認める。エンバーゴの延長は出版社としての特定の利益ではなく、公益の観点から評価される。

研究目的(および一時的な派生製品の作成あるいは商業利用)の論文の分析とバルクダウンロードを促進するとしているが、その方法の詳細は示していない。著作権とライセンスについてはPMCと歩調を合わせるときしているのみで、これら目的によりどれだけの論文が利用可能となるのかは分からない。

研究データについては、データ管理計画の提出と、助成論文に直接関係するデータの論文公開時あるいは論文公開後合理的期間内の無料アクセスを要求している。また保存、発見性、および助成研究により得られた査読論文を裏付けるデータの「論文公開時」の無料アクセスに特に着目したデータの再利用のため、
研究データコモンズ」を他の政府機関とともに作成するとしている。

施行は2015年10月を予定している。

[ニュースソース]

Second U.S. Federal Agency Releases Public Access Policy - SPARC 2015/2/9

NASA Public Access Plan Available:uses NIH's PMC Platform - SPARC 2015/2/11

[小欄関連記事]

2014年08月05日 米国:DOE、OSTP OA 指令への対応としてOA実施計画を発表