研究データ共有:ジャーナルの研究データ方針(論文紹介)

2015年04月13日

ヨーロッパ

Journal of the Association for Information Science and Technology掲載の、Journal Research Data (JoRD)に関する論文“Research data sharing: Developing a stakeholder-driven model for journal policies(試訳:研究データ共有: 利害関係者から見たジャーナル方針モデルの開発)”を紹介する。なお、本論文のpeer-reviewed versionがNottingham E-Printsで公開されている。

抄録:

研究論文の結論は論文自体に含まれないデータ自体に依存する。データ共有は、透明性と再利用という観点から重要な意義がある。科学、技術、医学ジャーナルはデータ共有を支援する役割を持っているが、その仕組みはまだ明らかではない。Journal Research Data (JoRD)プロジェクトはJoint Information Systems Committee(JISC)の助成を受け、ジャーナルの研究データ方針が提供できる主なサービスの実現可能性を調査する。この調査の目的はジャーナルデータ共有方針の現状を明らかにし、利害関係者の見解と実践を明らかにすることである。 調査の結果、ジャーナルの大部分はデータ共有方針を持たず、ジャーナルデータ共有方針の間には矛盾が見られた。そのため、データに関する論文の共有をするべきか否か、またデータをどこでどのように共有すべきか、著者には明確に示されていない。容易にデータ共有可能な基盤が欠如する中、現存するジャーナルデータ方針の分析から得られた量的情報と、利害関係者から収集した質的データを比較することにより、モデルとなるジャーナルデータ共有方針を開発した。この論文では、モデルとなるデータ共有方針とその開発過程を説明する。