米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration、NOAA)はこのたび、OSTP OA指令(小欄記事)への対応としてパブリック・アクセス計画(pdf:23ページ)を公開した。本計画は、すでに確立しているデータ共有の文化を活用しつつ、最新の技術基盤を構築することに重点を置いている。
論文について
・米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control、CDC)の“Stacks”技術を使用し、NOAA助成論文の機関内リポジトリを構築する。
・他の多くの政府機関とは異なり、技術報告書、データ報告書、技術メモの提出も要求している。
・エンバーゴ期間はOSTPの提案する12か月を基準としている。
・再利用の権利については具体的記述はない。
・論文へのアクセスを提供する手段として、CHORUS等出版社の取り組み、また図書館の取り組みであるSHAREとの連携にも言及し、機関内リポジトリは最終受理原稿へのアクセス、長期保存の確保の手段としている。
研究データについて
・現在、機関内研究者はデータ管理計画(DMP)を、また機関外研究者はデータへのアクセスのみを対象とするデータ共有計画の提出が要求されているが、今後助成を受ける全ての研究者に対しDMPの提出が義務化される。
・他の機関と異なる点として、科学データとは環境データであると定義づけていること、また当該計画の適用範囲を「今後生じる全ての成果、および現行のプログラムから生じた過去の全ての成果」とし、NOAA National Data Centerで現在アーカイブされている全てのレガシーデータにも適用される。
・現在、助成を受けた研究者は2年以内にデータを“可視化しアクセス可能とする”ことが要求されているが、当該計画ではその期間を1年に短縮した。
・論文の参照リストでデータセットを引用するという、論文とデータとリンク付けについて明確な指針を設けている。また、データセットに同機関が作成したDOIを付与し、ジャーナル論文等での引用を可能とする。今年後半にはNOAA DOIを取得し使用するための手順と必要条件を説明する指針を公開する。
・研究者がデータを発見し、科学論文や他のデータセットにつなげることを可能にするため既存のNOAAデータカタログを発展させる。
・メタデータの包括的基準要件を極めて詳細に記述している。‘Data Documentation Procedural Directive’では、ISO基準に基づいた構造化メタデータの使用を要求している。
[ニュースソース]
Next Up for Agency Public Access Plans: NOAA - SPARC 2015/04/08
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