Journal of the Association for Information Science and Technology誌掲載の、データジャーナルに関する論文“Data journals:A survey(試訳:データジャーナル調査)”を紹介する。なお、本論文のプレプリント版はResearchGate、figshareから入手できる。
抄録:
データは情報社会において重要な役割を持つ。データの出版量は増加し続け、多数(の研究)において「データの洪水」、「ビッグデータ」といった言葉で表現されているが、他者が効率的にデータを発見・利用・再利用できるようにするため、データ出版の方向性をさらに検討する必要がある。データの帰属とその結果として得られる利益、あいまいな引用慣行、品質の問題からデータを共有する文化の欠如に至るまで、データ出版にはいくつかの阻害要因がある。近年、データジャーナルはこれら阻害要因を克服しようと取り組んでいる。本論文では、現在ある100誌以上のデータジャーナルについて、データセットの記述・可用性・引用・品質、オープンアクセスを促進する方法を説明する。データセットへのアクセスと利用を促進する手段として、データジャーナルの機能を拡大し、高める方法を特定する。