Geomorphology誌に掲載予定の、実験地形学におけるデータ管理に関する論文“Data management, sharing, and reuse in experimental geomorphology:challenges, strategies, and scientific opportunities”(試訳:実験地形学におけるデータ管理、共有、再利用: 課題、戦略、科学的機会)を紹介する。
抄録より抜粋:
実験地形学の領域は、高解像度のデジタルデータセットの急速な普及によりデータが豊富な時代を迎えている。複雑で、規模が大きく、高解像度の実験を行う水路実験室の建設や刷新のために多額の費用が投資されてきた。しかし、このようにあふれる実験データの分析、保存、アクセスは簡単ではない。効率性が欠如していることで、科学的課題に対応する機会喪失による地形学者、堆積地質学者、技術者などのEarth-surface科学コミュニティに対するかなりのコスト上の負担となっている。本論文では、現在の実験ライフサイクルにおけるデータ管理の現状を示す。この評価に基づいて、より効果的なデータ共有と再利用を達成するため、最もニーズのある次の4つの領域を特定した:メタデータ指針、ワークフローの文書化、データの保存、動機付けとトレーニング。これらの領域のニーズに対応する具体的指針を提示し、相互運用性と人間可読性・機械可読性に関するコミュニティーの主な議論を要約する。提案するメタデータリストには、データ品質と再利用性の容易さを評価するメタデータなど、基本となるデータセット情報と実験地形学分野の専門的情報が含まれる。データ出版をデータ共有を改善するための枠組みとしてとらえ、実験データセットの見直しについてコミュニティー特有の考察を議論する。