NSFデータ管理計画の評価をエビデンスベースの研究データサービス展開に活用する(発表紹介)

2015年05月11日

北米・中南米

4月22-23日、米国で開催された研究データの管理に関する会議Research Data Access and Preservation Summit 2015で、Amanda L. Whitmire氏らが発表した“Using assessment of NSF data management plans to enable evidence-based evolution of research data services”(試訳:NSFデータ管理計画の評価を活用し、エビデンスに基づいた研究データサービスを発展させる)を紹介する。
抄録:
助成機関は、申請書において生じる研究データの管理、保存、共有方法を記述するデータ管理計画(DMP)をますます要求するようになってきた。データ管理計画は、研究者およびその研究データ管理(RDM)の知識・能力・ニーズに関する情報の豊かな供給源である。DMPの体系的評価は、研究機関がデータ管理の概念と実践とを理解し活用する上で、隔たりと弱点を特定し、ベストプラクティスを適用する際の障害を特定する。このように、DMPの評価は、RDMの実践と適性についての本質を見いだし、RDMサービスの開発に関する情報を提供する。
我々は研究者と研究図書館員がNSFデータ管理計画の評価を促進し、標準化するツールとなるようなDMP評価のための分析的評価基準表を作成した。この評価基準表により、図書館員は、彼らが提供する研究データサービスについての意思決定を行うための情報を得る研究ツールとして、DMPを活用することができる。このツールは応用研究やRDMの経験がない図書館員でも、研究者のデータ収集・利用、図書館サービスが支援できる情報を得ることができる。
評価基準表を用いて、研究に特化した5機関の申請書の中から、NSFのDMP数百件を評価した。我々は分析結果を共有し、現在のデータサービスが、向上させるべきサービス領域あるいは研究機関のニーズを満たしているかを評価するため、DMPの活用方法を示す。
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