日本の超伝導の新物質探索のエキスパート、4年間にわたる約1,000の物質探索結果を初公開

2015年05月21日

日本

最先端細野FIRST Programの細野秀雄氏等はこのたび、1,000種に及ぶ物質を対象とした、4年にわたる広範な共同研究の結果をレビュー論文として書き下ろし、Science and Technology of Advanced Materials (STAM)誌に発表した。STAM誌は、日本の材料研究機関NIMS(国立研究開発法人物質・材料研究機構)とスイスの研究機関Empaが刊行支援をするオープンアクセスジャーナル。

本レビュー論文は、世界的に超伝導の新物質研究に対するファンディングが厳しい状況にあることを踏まえ、かつ、理論的にも未だに難しい新物質の設計という状況も念頭に、プロジェクトで検討した超伝導物質テーブルを公開した。ここには、超電導を示さなかった700余りの物質も含まれている。

研究成果の普及、活用という言葉をよく聞く時代にあって、うまくいったデータも、いかなかったデータも含み、専門家の目利きによって全体を俯瞰しやすいよう整理し、物理学者にも化学者にも、エンジニアリングの分野にいる開発者にも分かるように解説した本総説は「前代未聞の試み」であり、また真のオープンサイエンスのありようを提起するものとして注目すべき科学の伝道と言える。

[ニュースソース]

日本の超伝導の新物質探索のエキスパート 4年間にわたる約1000の物質探索結果を初公開 - STAM 2015/5/8