賢いソフトウェアは心理学論文の統計的エラーを見つけ出す(記事紹介)

2015年11月05日

ヨーロッパ

ネイチャー誌10月28日付け記事"Smart software spots statistical errors in psychology papers"(試訳:賢いソフトウェアは心理学論文の統計的エラーを見つけ出す)を紹介する。

この記事は、オランダ・ティルブルグ大学のMichèle Nuijten氏らが開発した統計誤差を探し出すソフトウェアstatcheckに関するもの。

同氏らはstatcheckを使用して、8つの主要心理学誌で発表された3万件以上の論文を分析し、その結果をBehavior Research Methods誌で報告した。statcheckは、統計的検定を行う論文の半数から、検定の関連パラメーターと矛盾するp値を見つけ出した。8論文のうち1つ(13%)には、結論に影響するエラーが含まれていたという。Nuijten氏によると、この比率は手作業でp値の矛盾を評価した先行研究と同じである。

*p値とは「統計的仮説検定において、帰無仮説のもとで得られた検定統計量が実現する確率」(統計学用語辞典)のこと。