11月12日付けカレントアウェアネス-E No.292より、以下3本の開催報告記事を紹介する。
10月18日、第63回日本図書館情報学会研究大会シンポジウム「情報資源組織化が切り開く未来:RDA,新NCR BIBFRAME,Linked Dataがもたらすもの」が開催された。新しいメタデータを「どのような体制で作成・維持管理していくか」「どのように流通させ、活用していくか」といった領域には、まだまだいろいろな面から議論される余地が残っており、「それぞれの立場から議論をしていくことが必要」であることが再認識された。
9月30日、第1回SPARC Japanセミナー2015「学術情報のあり方:人社系の研究評価を中心に」が開催された。人文社会科学系(人社系)の評価のあり方と大学および図書館の役割りについて議論された。人社系の研究評価における現状と問題点を浮き彫りにし,研究に関わる者ひとりひとりが「何のための評価か」「何を評価してほしいのか」を問い直していく必要性を強く意識する機会となった。
京都大学理学研究科附属地磁気世界資料解析センターの主催で、9月17日・18日に「オープンサイエンスデータ推進ワークショップ」が開催された。「オープン化は絶対正義ではない」という点が確認され、林和弘氏(科学技術動向研究センター)による「必要なところでしかオープンサイエンスは進まない」、引原隆士氏(京都大学)が強調する「知的財産たる論文を保護するためのオープンアクセス」という観点にも配慮する必要があることは、対象が論文のみならずデータであっても変わらないといった意見が出された。