論文の引用率に基づくNIHパブリックアクセス方針のインパクトの検討(論文紹介)

2015年11月24日

北米・中南米

PLOS One誌掲載の論文“Examining the Impact of the National Institutes of Health Public Access Policy on the Citation Rates of Journal Articles(試訳:論文の引用率に基づくNIHパブリックアクセス方針のインパクトの検討)”(pdf:9ページ)を紹介する。なお、本研究の全引用データファイルは、UIC Institutional RepositoryのINDIGOで入手可能である。

目的:

2008年米国立衛生研究所(NIH)パブリックアクセス方針の公開以後、PubMed Central(PMC)にアーカイブされたNIH助成論文は、PMCにアーカイブされていない論文よりも大きな学術的インパクトがあるか否かを調査する。

方法:

論文引用データを収集するため、複数の主題領域にわたるジャーナルリストを作成した。2006年と2009年に122誌で出版された論文の引用情報と引用文献カウントをScopusデータベースから取得した。NIHの助成を受けた論文と受けていない論文に分け、さらにPMC収録論文と非収録論文に分けた。同5年間について、これら論文の引用データの分析を行った。

結果:

7,960本のNIH助成論文を含む、45,716本の論文を調査した。論文が引用された回数を分析したところ、2006年NIH助成のPMC収録論文はNIH助成のPMC非収録論文に比べて被引用回数が有意に高くはなかった。しかし、2009年NIH助成のPMC収録論文は、2009年NIH助成のPMC非収録論文に比べ、発行5年間で26%も多く引用された。

結論:

この分析から、2006年から2009年の間に発生した要因が、PMCの学術的インパクトを増大させたと考えられる。2008年のパブリックアクセス方針は、その1つである可能性が高い。しかし、他の要因、たとえばPMCの規模と知名度の向上、PubMedからのフルテキストリンクアウトの向上、Google ScholarによるPMC論文の収録などもインパクト向上に寄与している可能性がある。