Nature誌2月10日付け記事“Does it take too long to publish research?(試訳:長すぎる研究公開までの時間?)”を紹介する。本記事は、論文の公開までにかかる時間をテーマとしている。
本記事は、ある論文が最初にScience誌に投稿されてから、最終的にPLOS ONE誌でオンライン公開されるまでの23か月間の過程を紹介している。また、Nature Cell Biology誌に投稿してから、最終的にJournal of Cell Science (JCS)に受理されるまで317日かかった事例もあった。なお、JCSに受理された論文は、その年のJCS誌のトップ論文として表彰されたとのことである。
公開までにかかる時間に関するある調査によると、査読期間(投稿から受理までの期間)は過去30年以上100日前後のままである。なお、再投稿時に日付が更新される可能性があることから、この結果は期間を短く見積もっている可能性もある。他方で、Nature誌の査読期間の中央値はこの10年で85日から150日に、PLOS ONE誌では37日から125日に増加した。
本記事が実施したアンケート結果を2月15日付けNature誌記事“Snail's pace:nature readers on their longest wait to get published”で取り上げている。アンケート結果によれば、回答者の10%は出版までに3年以上かかったと回答している一方で、回答者の3分の1は1年以上かかったことがないとしている。また、出版のスピードを速める方策として、「査読者は不要な修正を求めるのをやめるべき」とする回答が42%と最も高かった。
[ニュースソース]
Does it take too long to publish research? – Nature 2016/02/10
[関連記事]
Snail's pace:nature readers on their longest wait to get published – Nature 2016/02/15