サイエンス誌3月4日付け記事"Liberating field science samples and data"(試訳:フィールド科学におけるサンプルとデータの解放)(PDF:3ページ)を紹介する。
要旨
透明性と再現性は、研究結果の科学的・公的利用の整合性、新しい研究への適応性を高める。データ、サンプル、方法、および研究と分析に使用される試薬を使用できるということは、データとサンプルを分析・処理するのに使用するコード同様に、透明性と再現性の基本的要件である。フィールド科学(例えば、地質学、生態学、考古学)では、各研究は時間的に(また時として空間的に)唯一無二であり、さらなる分析のためのデータとサンプルの保存が重要であることを示す事例である。けれどもフィールド科学は、このようなアクセス性に対応しているとしても、一般的には単に"依頼に基づいて利用できるデータとサンプル"であると注記するという方法で行われているのが実情である。研究コミュニティーがデータとサンプルを広く利用できるようにするという点では実験科学に遅れをとっている。今こそ変化すべき時である。本稿では変革すべき文化的、財政的、技術的問題と助成機関、出版社、科学会等の対応策を考察する。