OSTP OA指令発行から3年を振り返り、米国物理学会名誉会長Fred Dylla氏はScholarly Kitchenにコメントを寄せている。同氏はCHORUSの取締役も務める。以下、記事より抜粋する。
OSTP指令は原案作成にあたり、OSTPの指導により2009年から2010年に行われたUS House Science and Technology Committee主導により行われた学術出版ラウンドテーブルの提言に基づいている。OA指令は「研究成果をデジタル形式で読めること、ダウンロード、分析を可能とすること」を基本としている。
同氏は進捗状況を以下のようにまとめた。
1)パブリックアクセス方針は助成研究の98%で実施されている。米国国立科学財団(NSF)、米国国防総省(DoD)、米国エネルギー省(DOE)といった医学研究以外の助成論文のパブリックアクセスの達成に起因している。
2)Crossrefの活動を通じ、強力な文献識別システムが各国の助成機関11,000以上を網羅している。
3)官民パートナーシップCHORUSは、助成機関のパブリックアクセス計画の実施に積極的な支援をしている。
4)テキストデータマイニング(TDM)の実現に向けた活動がすでに開始されている。
5)多様なステークホルダーの支援を受け、助成機関はデータ管理を推進すべく前進している。
これらは、米国議会、政府、そして民間セクターが連携し、たった3年で多くの国民にとって有益なことを成した、過去に類を見ないすばらしい事例である。
[ニュースソース]
Guest Post, Fred Dylla — Three Years after the OSTP Public Access Directive: A Progress Report - Scholarly Kitchen 2016/3/8
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