コンピューターサイエンスを専攻する学生は何を学習すべきか(記事紹介)

2016年03月16日

ヨーロッパ

Times Higher Education 3月10日付け記事"What should computer science degree students learn?"(試訳:コンピューターサイエンスを専攻する学生は何を学習すべきか)を紹介する。以下、記事より抜粋する。

コンピューターサイエンス課程の学生が大学で習得すべきことは、特定のプログラム言語ではなく、むしろ基本的スキルであるとの見解がある会合で示された。この見解は、英国でコンピューターサイエンス課程を修了した学部生の高い失業率が問題となっている中、2月に行われた学術界と雇用主との会合Westminster Higher Education Forumで示された。この会合はオックスフォード大学コンピューターサイエンス学部教授Nigel Shadboldが座長を務めた。同教授はビジネス・イノベーション・技術省(Department of Business, Innovation and Skill)に対し、本議題の報告書を作成中である。

コンピューターサイエンス専攻の卒業生数が年間600から700の英国大学の中には、失業率が25%の大学もあった。10年前であれば知識がなければ興味を示さなかった雇用主も、今日では「基本的知識の習得を期待しており、特定のスキルは卒業後に習得させる。またチームワーク力は就職する上で必須の条件である」と考えている。しかし大学側は「就職の家庭教師」と化し、就職斡旋に躍起となっているのが実情である。

また的外れな官僚的認定方法のシステムも問題があるようだ。英国の80%のコンピューターサイエンスコースはBCS(British Computer Society)により認定されているが、自主的運営にまかされており、認定者の質もさまざまであることも指摘されている。