欧州委員会(EC)は5月30日、デジタル技術に基づく新しい科学的実践に関する調査報告書“Open Digital Science”最終版(pdf:95ページ)を公開した。
本報告書は、デジタル技術に基づいた新しい科学的実践を調査し、それらがどのように構成され、また科学と社会との関係をいかに変えているかを考察する。本研究では、より広い社会的、政策的意味合いにおいて、以下の3つの目的に沿ってオープンなデジタルサイエンスの結果を分析し、6つの将来的シナリオを作成した。
目的:
・オープンなデジタルサイエンスのビジョンの検証と調整
・オープンサイエンスへの取り込みと影響についての評価基準の開発
・新しく出現する科学的実践におけるベストプラクティスの開発
方法:
26人の専門家へのインタビュー、グラーツ、リスボン、ブリュッセルでの科学会議やイベント時のワークショップ、専門家へのオンライン調査を通じ、オープンサイエンスの概念、現在行われている実践と傾向を考察した。本調査の中間報告はwww.opendigitalscience.euに掲載されている。
・ScienceFlex:シチズンサイエンスと新しいオンラインツールによる支援について
・InnoSpeed:オープンサイエンスがイノベーションを駆動する方法、特にSMEについて考察する
・BlurredBounds:それほど遠くない将来、組織がダイナミックにプロジェクトを作り出し、バーチャルなグローバルプロジェクトチームのスタッフを採用するため、学術界と産業界との境界がほぼなくなることを説明する
・Digital Studies:デジタルでオープンなサイエンスは大学教育の方法を変えることを説明する
・Policy Dialogue:将来の政策立案者が過去の事例をどのように選択すべきかを考察する
・Ancient Now:将来的視点によるオープンサイエンス技術の課題を説明する
[ニュースソース]
Open Digital Science - Final study report - EC 2016/5/30