経済競争力と社会再生を検討するシンクタンクLisbon Councilはこのたび、欧州のテキスト・データ・マイニング(TDM)を考察した政策概要“Text and Data Mining for Research and Innovation: What Europe Must Do Next“(試訳:研究、イノベーションのためのテキスト・データ・マイニング:欧州が次に成すべきこと)(pdf:16ページ)を公開した。
本報告書の要点は以下の通り。
・TDMに関する学術研究拠点は欧州に代わり、アジアとなっている。TDMに関する欧州の研究論文のシェアは2000年の38.9%から28.2%へと減少し、アジアのシェアは逆に31.1%から32.4%へと増加している。
・TDMシステムの特許権の取得は中国と米国が先行している。※ 欧州ではソフトウェアは特許性がないため比較することはできない。
・欧州はTDMの適法性が不明確で、他国に比べ立ち遅れている。
・欧州では、研究者がTDM技術を使用するには、著作権の保持者や学術出版社の許可を要求されることが多く、自動化されたコンピューターによるクローリングを著作権の例外としているのは英国のみである。
・他国の著作権法はより明確であり、米国、イスラエル、韓国、シンガポール、台湾などの国では著作権の侵害に対してフェアユースによる保護が認められている。
[ニュースソース]
NEW POLICY BRIEF Text and Data Mining for Research and Innovation - Lisbon Council 2016/5/30
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Researchers in Europe falling behind in the use of text and data mining - SCIENCE BUSINESS 2016/6/2