NIH、データ・臨床情報共有を促進するゲノムデータコモンズに着手

2016年06月09日

北米・中南米

米国立衛生研究所 (National Institutes of Health, NIH)はこのたび、癌治療の加速するため、完全にオープンなデータベースGenomic Data Commons(GDC)に着手することを発表した。米国立癌研究所(National Cancer Institute, NCI)のイニシアチブであるGDCは、NCIの癌研究イニシアチブNational Cancer Moonshot Initiativeおよび大統領が主導するPrecision Medicine Initiative(PMI)の中核的プロジェクトである。

GDCデータベースは特定のデータ層である癌患者のraw genomicデータと治験データを収録する。当初は既存のNCIプログラム(1万2,000人の患者データを含む)からのデータを取り込み、個々の癌の分子プロファイルについてのデータ、使用された治療情報、治療に対する患者の反応に関する情報を収録していく。研究者は無料でデータにアクセスでき、必要に応じて再解析できるようになる。

GDCは研究者が癌データを容易に発見、使用できる、中核的オープンロケーションを構築する重要な一歩である。

[ニュースソース]

Newly launched Genomic Data Commons to facilitate data and clinical information sharing - NIH 2016/6/6

 [関連記事]

Supporting the Vice-President’s Cancer Moonshot Initiative - SPARC 2016/6/6

Biden unveils launch of major, open-access database to advance cancer research - Washington Post 2016/6/6

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2016年04月27日 米国:NCI、癌研究イニシャチブへのアイデアを求めるオンラインプラットフォームを公開