オープンアクセスのインパクトを増幅する:ウィキペディアと科学の拡散(論文紹介)

2016年06月09日

北米・中南米

オープンアクセスとウィキペデイアとの関係を考察した論文“Amplifying the Impact of Open Access: Wikipedia and the Diffusion of Science”(試訳:オープンアクセスのインパクトを増幅する:ウィキペディアと科学の拡散)、(pdf:31ページ)を紹介する。著者はシカゴ大学Knowledge LabのMisha Teplitskiy氏等。

抄録

ウィキペディアが科学的知見を得るために最初に訪れる情報源となりつつある中、ウィキペディアと学術文献との関係を比較することには価値がある。本稿は、Scopusデータベースで索引される26の研究分野で多く活用されるジャーナル250誌(総ジャーナル数:4,721誌、1,940万文献)を特定し、主題、学術的地位、アクセス性がウィキペディアでの参照とどのように関係するかをテストする。ジャーナルの学術的地位(インパクトファクター)とアクセス性(オープンアクセスポリシー)はともにウィキペディアでの参照の頻度の程度を増加させる。オープンアクセスジャーナルが英語のウィキペディアで参照される、分野とインパクトファクター調整後の確率は、有料のジャーナルに比較して47%高かった。本研究から、オープンアクセスポリシーがウィキペディアのような媒体を通し、より広いオーディエンスへの科学の拡散を大きく向上させることが示唆される。