欧州:OANAのワーキンググループ、「ウィーン原則:21世紀の学術コミュニケーションのビジョン」を発表

2016年06月28日

ヨーロッパ

オープンアクセスネットワークオーストリア(OANA) の「オープンアクセスと学術コミュニケーション」ワーキンググループはこのたび、“Vienna Principles:A Vision for Scholarly Communication in the 21st Century(試訳:ウィーン原則:21世紀の学術コミュニケーションのビジョン)第1版を発表した。

OANAは、オーストリア科学財団(FWF)とオーストリアの公立大学団体UNIKOの共同事業として2012年に設立された団体で、オーストリアでのオープンアクセス(OA)実現に向けて活動している。

このたび発表された12の原則は、ワーキンググループの1年以上にわたる議論を経て作成され、将来の学術コミュニケーションの基礎を示すものである。

The Vienna Principles:A Vision for Scholarly Communication in the 21st Century

1.Accessibility(アクセシビリティ)

学術コミュニケーションは、即時かつオープンに誰もがアクセス可能にすべきである。

2.Discoverability(発見性)

学術コミュニケーションは、検索、探査、発見を促進すべきである。

3.Reusability(再利用性)

学術コミュニケーションは、誰もが他の研究を効果的に利用できるようにすべきである。

4.Reproducibility(再現性)

学術コミュニケーションは、再現可能な研究結果を提供すべきである。

5.Transparency(透明性)

学術コミュニケーションは、研究結果の信頼性を判断するためオープンで透明性のある方法を提供すべきである。

6.Understandability(わかりやすさ)

学術コミュニケーションは、多様な利害関係者に合わせて、明確、簡潔でわかりやすい方法で研究を提供すべきである。

7.Collaboration(協力)

学術コミュニケーションは、研究者とその利害関係者間の協力と関与を促進すべきである。

8.Quality Assurance(品質保証)

学術コミュニケーションは、透明性のある、適切なレビューを提供すべきである。

9.Evaluation(評価)

学術コミュニケーションは、公正な評価を支援すべきである。

10.Validated Progress(有効なプロセス)

学術コミュニケーションは、新たな知識の生成と既存の知識の検証の両方を促進すべきである。

11.Innovation(イノベーション)

学術コミュニケーションは、新技術の可能性を促進すべきである。

12.Public Good(公共の利益)

学術コミュニケーションは、知識コモンズを拡張すべきである。

[ニュースソース]

The Vienna Principles:A Vision for Scholarly Communication in the 21st Century – OpenAire 2016/06/22