NDL、カレントアウェアネス-E No.306を公開

2016年07月01日

日本 ヨーロッパ

6月30日に公開されたカレントアウェアネス-E No.306の中から、以下の2本の記事を紹介する。

ソーシャルメディア・データの保存

英国の電子情報保存連合(DPC)が2016年2月に公開した、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアのデータ保存に関するレポート“Preserving Social Media”を紹介。このレポートはソーシャルメディアのデータ保存について、その戦略、課題、事例などを解説している。

レポートでは、「データアーカイブに対するニーズを評価して、何をどの程度どのような形式で保存するか、その基準を策定する参考とすべきであること、またアーカイブはデータ量が膨大になるので、単独あるいは少数の大規模な中央機関がデータを保存するのがよい」と提言している。

Access to Researchの2年(英国)<文献紹介>

英国の出版社団体であるPublishers Licensing Society(PLS)が中心となって2014年1月に開始した、公共図書館にオンラインの学術文献150万件を無償で提供する2年間のパイロットプロジェクト“Access to Research”(A2R)(小欄記事)に関する、公共図書館の職員などを対象にした調査結果の概要を解説したもの。

2年間での利用者数は、8万8,870人と報告されているが、大学図書館での利用に比べればまだまだ少ない。図書館職員や住民の認知度はまだ低いようである。自宅のコンピューターから直接閲覧できないようなプロジェクトでは不十分との批判もある。