Dryad、データ出版に関する3学会の取り組み事例を紹介

2016年07月06日

北米・中南米 ヨーロッパ

データリポジトリDryadは5月24日、「データ出版におけるリーダーシップ:Dryadと学会」をテーマとして仮想会議を開催した。6月27日付け記事“Dryad’s first virtual community meeting:members share their expertise”では、この会議の発表動画とともに、 Association for Tropical Biology and Conservation、The Royal Society、 British Ecological Societyの3学会のデータ出版方針の策定から実施に至るまでの体験談を紹介している。

これら3学会はジャーナルでの出版条件として、データを適切なリポジトリにアーカイブすることを要求している。

Association for Tropical Biology and Conservation:この分野では非常に長期間の研究のデータを定期的に集めるため、データ出版の前提条件としてエンバーゴは重要である。学会のデータ方針では、「より複雑で長期のデータセットから複数の論文を出版するのに十分な時間を確保するため、エンバーゴを3年まで」としている。また「アーカイブされたデータセットを再利用する者に対し、当初データを収集した研究者を完全に関与した協力者として含める」ことを提案している。データのアーカイブへの抵抗に対応し、理解とコンセンサスを構築するため、データ出版の是非を議論する論文に役立つ批評を求め、2016年に施行に至った。

Proceedings of the Royal Society B:biological Sciences:の著者のうちデータのエンバーゴを希望するものはわずか8%で、標準的エンバーゴは出版後1年である。出版に関係するデータの可用性を上げる要素としては、明確な著者の指示とデータの可用性に関する記述を投稿システムで示すことであるとしている。

British Ecological Society:2012年にデータ出版を推奨とし、2014年に要求としてからデータの可用性が格段に増加した。データの再利用の作法に関する指針を作成する予定であるが、作成にはコミュニティ-が主体となって進める必要があると指摘する。

[ニュースソース]

Dryad’s first virtual community meeting:members share their expertise - Dryad 2016/6/27