Brexit後の研究助成への懸念から、英国の研究者はEUプロジェクトから除外(記事紹介)

2016年07月14日

ヨーロッパ

the guardian誌7月12日付け記事“UK scientists dropped from EU projects because of post-Brexit funding fears”(試訳:Brexit後の研究助成への懸念から、英国の研究者はEUプロジェクトから除外)を紹介する。

欧州連合(EU)からの離脱が決定した英国の研究者に対し、欧州のパートナーとの共同研究を諦めざるをえないという圧力が高まっている。

英国のRussell Groupが秘密裏に行った調査によると、財政的負担の懸念から、英国大学はEU助成プロジェクトから去るよう、あるいはその主導的立場から退くよう迫られるケースが見られた。

ファンディングのうちの英国の分は保障されないため、英国パートナーすべてをコンソーシアムから除外することを研究責任者に勧めるEUプロジェクトオフィサーもいた。2017年1月に開始するプロジェクトに英国組織が留まった場合、英国と欧州が新たな取り決めに合意するまで、契約書への署名は先送りされることも考えられる。

このような英国研究者に対する差別は、自然科学、工学、社会学の研究者すべてに及んでいるという。オランダの大学と共同研究を行う少なくとも2つの社会学のプロジェクトでは、英国パートナーは歓迎されていないと言われたとの報告もある。

英国ビジネス・イノベーション・技能省(Department for Business, Innovation and Skills、BIS)は、英国がEUを去るまでは「いつも通り」だと言うが、問題はすでに始まっている。スイスが2014年に移民制限に関して行った国民投票後も、EU助成申請の評価段階で意識的あるいは無意識のバイアスが生じていたと指摘する声もある。

[ニュースソース]

UK scientists dropped from EU projects because of post-Brexit funding fears - the guardian 2016/7/12