エンバーゴ付きOA論文に引用の強みはあるか(論文紹介)

2016年08月29日

北米・中南米

PLOS 8月22日に掲載の論文“The Post-Embargo Open Access Citation Advantage:it Exists (Probably), Its Modest (Usually), and the Rich Get Richer (of Course)”(試訳:エンバーゴ付きオープンアクセス論文に引用の強み:(おそらく)存在し、(通常)わずかではあるが、よりよい論文は(当然)より多く引用される)を紹介する。著者はミシガン大学図書館 Jim Ottaviani氏。

                  

抄録                         

オープンアクセス(OA)論文(購読料を必要とせずに読者が無料で読むことができる論文)は、購読料が必要な論文よりも多くダウンロードされ、またおそらく閲読されるということは多くの研究が示している。OA論文の被引用数もまた多いのかは、しばしば議論の的になっている。複雑な要素(著作者は最もよい論文のみを選んでOA出版する;被引用数を比較すべき非OA論文の適切な対照群がない;出版前論文と出版された論文/出版社版等を一つにまとめる)があるため、実際の引用の差を示すことは難しい。本研究では、これらの要素に対処し、引用の最盛期がエンバーゴの場合にも、OA論文の被引用数が19%高いことを示す。よりよい論文(中央値より上と定義する)は当然、OAとなった場合により多く引用される。