米連邦取引委員会、学術出版社OMICSを告訴

2016年09月01日

北米・中南米

米連邦取引委員会(FTC)は8月26日、出版と出版費用に関して詐欺を働いたとして、数百のオンライン学術ジャーナルの出版社とされるOMICS Group, Inc.とその関係会社2社を告訴した。

また訴状によると、OMICS社のジャーナルは厳密な査読を行い、編集委員会は著名な学者から構成されると主張しているが、現実には論文の多くはほとんど査読を受けておらず、編集者とされる者の多くはジャーナルとの関係に同意していない。

論文が受理されるまでに多大な出版費用を支払わなければならないことを研究者に伝えておらず、また研究者には論文投稿の取りやめも認められていない。

“インパクトファクター”が高いジャーナルと記述しているが、同社は独自のインパクトスコアを用いていたことを公開していなかった。また同社の出版するジャーナルはPubMedやMEDLINEなどの政府系研究データベースで索引付けされているとしているが、そのような事実はない。

さらに著名な研究者が参加、発表するとした同社主催の学術会議に対して1,000ドル(10万2,000円相当)以上の登録料を課していたが、これら著名な研究者は会議への参加に同意していない。

[ニュースソース]

FTC Charges Academic Journal Publisher OMICS Group Deceived Researchers - FTC 2016/8/26