ハイブリッドオープンアクセス – 経時的研究(論文紹介)

2016年09月23日

ヨーロッパ

Journal ofInformetrics Volume 10、Issue 4掲載“Hybridopen access—A longitudinal study(試訳:ハイブリッドオープンアクセス –経時的研究)”を紹介する。本論文はオープンアクセス(OA)論文であり、誰でも本文を閲覧することが可能である。

                

抄録:

本研究では、ハイブリッドOA(購読料ベースのジャーナルに掲載されるOA論文)の今後を予測する。研究対象は、エルゼビア、シュプリンガー、ワイリーブラックウェル、テイラー&フランシス、SAGEの5大学術ジャーナル出版社である。ハイブリッドOAを識別する主要な索引または標準化されたメタデータは存在しないため、試験的なボトムアップによる方法を開発した。各出版社Webサイトの検索・フィルタリング機能と、入手可能と思われるデータを、可能な限り活用した。結果として、2007年から2013年にハイブリッドOAとして出版された論文数は、継続的に顕著な増加(666本→13,994本)を示した。ハイブリッド論文のシェアは、2011年から2013年の期間にハイブリッドOA論文を1本以上収録するジャーナルに掲載された全論文の3.8%であった。Scopusで保健・生命科学、特に医学分野に分類されるジャーナルで、最も頻繁にハイブリッドOAコンテンツが掲載されることがわかった。この研究は、科学政策が研究論文へのアクセス障壁を軽減するための圧力をかけるにつれ成長するハイブリッドOAの評価基準について、多くの方法論的課題を明確にする。