生物学分野でのプレプリント版受け入れの機運が上昇(記事紹介)

2016年12月12日

北米・中南米 ヨーロッパ

ネイチャー誌11月30日付け記事Big biology projects warm up to preprints(試訳:生物学分野では、プレプリント版受け入れの機運が上昇)を紹介する。

米国立衛生研究所 (National Institutes of Health, NIH)が助成する研究コンソーシアム4D Nucleome(4Dヌクレオーム(網羅的細胞核))は11月、オンラインプレプリントサーバーへの査読前論文の投稿を義務化した。4D Nucleomeは1億2千万ドル(137億円相当)の5年間のプロジェクトで、査読前論文のオンライン公開の義務化は、NIHが支援するプログラムとして初めてのケースとなる。またカリフォルニア州の民間助成による6億ドル(686億円相当)相当の生物医学研究イニシアチブも同様の取り組みを検討中だという。

生命科学分野では出版前論文を広く受け入れる動きがあるものの、規範ではなくあくまで例外とされている。研究グループのいくつかはBioRxivのようなプレプリントサーバーへの論文投稿を自主的に行っているが、助成機関や複数機関によるイニシアチブでこのような取り組みを義務化する動きは見られなかった。

出版前論文についてのNIHの正式な方針はないが、NIHは現在助成申請や報告書でのプレプリントの扱いを生かせる方法について意見を集約しており、また4D Nucleomeプログラムの出版前論文公開義務化への支持を表明している。

[ニュースソース]

Big biology projects warm up to preprints - ネイチャー 2016/11/30

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