ゴールド中心のOAの実践(記事紹介)

2017年03月10日

ヨーロッパ

Journal of the Association for Information Science and Technology誌に2月27日に掲載された記事"A 'Gold-centric' implementation of open access: Hybrid journals, the 'Total cost of publication,' and policy development in the UK and beyond"(試訳:ゴールド中心のオープンアクセス(OA)の実践:ハイブリッドジャーナル、出版総コスト、英国における政策展開)(pdf:16ページ)を紹介する。

抄録

「ゴールド」OA(ジャーナルでのOA出版)を優遇する政策環境におけるOA出版市場の動向について、英国の高等教育機関のデータを分析した結果を報告する。24機関のジャーナル購読料、論文掲載料(APC)、および管理費からなる「出版総コスト」をサンプルとして使用した。例とした出版社7社の「出版総コスト」は、APC12%、管理費1%、購読料87%で構成される。2012年から2014年のAPCに対する機関の支出は購読料と同様に上昇している。保健・生命科学の論文のゴールドオプションは他に比べ非常に高かった。APC価格は大きなばらつきがあり、2014年の平均は1,586ポンド(22万円相当)である。「ハイブリッド」オプション(購読料ジャーナルがAPCを課すことにより個々の論文にOAを付加するもの)は完全なOAジャーナルよりもかなり高価格であるが、データからはAPC価格とジャーナルの質(ジャーナルの引用率に反映される)との間に相関が見られた。この分析から、特にハイブリッドOAと、購読およびAPCの相殺の可能性に関して、政策的意味を考察する。